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遺伝子診療センター

主なスタッフ
医師名 役職 学会専門医・認定医
榎本 隆之 遺伝子診療センター長 日本産科婦人科学会会員【専門医】【指導医】
日本婦人科腫瘍学会会員【専門医】【指導医】
日本臨床細胞学会会員【専門医】
手術支援ロボット da Vinci 認定資格(術者)
EAGOT(東アジア婦人科腫瘍研究機構)前理事長
米国婦人科腫瘍学会正会員
国際婦人科がん学会正会員
米国臨床腫瘍学会正会員

特色

 個体のゲノム情報を調べて、その結果をもとに、より効率的効果的に疾患の診断・治療・予防等を行うことを『遺伝子医療』といいます。遺伝子を調べる検査は癌ゲノム検査のように体細胞に起こる病的バリアントを調べる検査と、生殖細胞系列に起こる病的バリアントを調べる検査があります。
 令和8年度に市立伊丹病院が近畿中央病院と統合再編され、地域の新しい基幹病院として生まれ変わることが決定しています。当病院はこれまで地域がん診療連携拠点病院として地域のがん診療に貢献してまいりました。また、大阪大学医学部附属病院はJOHBOC(一般社団法人日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構)の基幹施設となっておりますが、当院はJOHBOCから協力施設としての施設認定を受けています。
 HBOCはBRCA1またはBRCA2遺伝子の生殖細胞系列病的バリアントに起因し、家系内に乳癌および卵巣癌をはじめとするがんを好発する症候群です。HBOCの保因者に対する遺伝カウンセリングは臨床遺伝専門医と認定遺伝カウンセラー®によって行われますが、新病院発足の決定に伴い、こういった遺伝カウンセリングを中心となって行う部門として『遺伝子医療センター』を開設することが決まっておりました。しかし、卵巣癌や卵巣癌の治療薬としてPARP阻害薬の有効性が示され、PARP阻害薬の適用のためにBRACAnalysis®診断システムやmyChoice™診断システムが頻回に使用されるようになり、BRCA1/2遺伝子の生殖細胞系病的バリアントが同定される機会が増え、保因者に対する対応をするニーズが出てきました。
 そこで、新病院に先駆けて令和4年4月に『遺伝子診療センター』が開設されました。すでに遺伝子診断やHBOCの患者さんへの対応は当院で行っていますが、現時点では臨床遺伝専門医も認定遺伝カウンセラー®も所属しておらず、生殖細胞系列病的バリアントの保因者に対する遺伝カウンセリングに対応する体制は十分には構築できていません。将来的には、癌ゲノム医療中核拠点病院である大阪大学医学部附属病院を連携先とした癌ゲノム医療連携病院の指定を受け、HBOCやリンチ症候群等の家族性がんやその他の遺伝性疾患だけでなく癌ゲノム医療等にも対応できる体制を構築し、地域医療に貢献する所存です。何卒よろしくお願いします。