放射線治療科

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主なスタッフ
医師名 役職 学会専門医・認定医
近藤 聖子 科主任部長 日本医学放射線学会会員【放射線治療専門医】【研修指導者】
島谷 康彦 科部長 日本医学放射線学会会員【放射線治療専門医】【研修指導者】
日本核医学会会員【専門医】【PET核医学認定医】

放射線治療科スタッフ

診療内容

 放射線治療とは、病巣に放射線を照射することで治癒をめざす方法です。放射線治療には、通常のレントゲン検査に使用するⅩ線より100倍高いエネルギーの放射線(Ⅹ線または電子線)を使用します。
 腫瘍細胞と正常細胞では放射線に対する感受性に差があり、適切な量の放射線を照射した場合、腫瘍細胞の方が多く死滅し、正常細胞は回復します。この差を利用して毎日少しずつの放射線を数週間連続して照射します。多くは通院可能であり、身体を傷つけることなく治療することができます。
 放射線治療を行うにあたり、まずは治療計画を行います。CT画像をもとに治療範囲を決定し、最適な照射方向、放射線のエネルギーや線量を計算していきます。完成した治療計画は、厳しい検証、線量測定を受けたのちに治療開始を決定します。これらは、放射線治療専門医、医学物理士、品質管理士含む診療放射線技師が協力して行います。
 実際の治療は、放射線治療専門の診療放射線技師が担当します。患者さんは、治療装置専用のテーブルの上に横になり、位置を合わせ、身体の外から放射線を1分間程度照射します。通常は1日1回(または2回)の治療で、月曜日から金曜日の週5回行っており、1回の所要時間は10分程度です。また、治療中は放射線治療専従の看護師が患者さんをサポートしますので、安心して治療を受けていただけます。
 主な疾患として、乳がん(図1)、肺がん、食道がん、前立腺がん、子宮頚がん、直腸がん、膵がん、頭頸部がん、脳腫瘍などの治療を行っています。また、完全治癒をめざした根治照射だけでなく、骨転移の除痛など患者さんのQOL(生活の質)向上を目的とした緩和治療にも非常に有効です。
 最近の治療技術の向上で、正常組織を避け、病巣に放射線をより集中させた治療が実現しています。当院でも高精度治療を目的に、平成24年3月より新型リニアック装置:VARIAN社製Clinac iX(図5)が導入され、IGRT(画像誘導放射線治療)、呼吸同期放射線治療、体幹部定位放射線治療(主に肺がん)を開始しています。早期肺がんの定位放射線治療(図3)は、高齢化社会において、手術に代わる身体に優しい治療として、必要性が高まっています。平成27年度からはIMRT:強度変調放射線治療(図2)も開始しており、前立腺がんを中心に治療をおこなっています。平成29年度からは転移性脳腫瘍に対し脳定位照射(図4)を開始しています。これらの技術で、副作用を低減しながら高線量を照射することが可能となり、より根治性の高い治療が期待できます。
 
 

(図1)乳房温存術後放射線治療

 

(図2)前立腺がんのIMRT
(図3)肺がんの定位放射線治療
(図4)脳定位照射
脳定位照射
(図5)リニアック(CLINAC iX)