倫理委員会で承認された治療法について

2024年1月23日

 当院では、国内で承認された医薬品、医療材料を、添付文書に示された使用方法と異なる方法で使用する場合に、その適切性、安全性等を「倫理委員会」にて審査します。審査の結果に基づき、下記の治療法については、必要時に速やかに治療を実施することができるよう、対象者となられる方に事前に同意をいただくことに代えて、病院ホームページにて情報を公開することとしております。なお、本件について拒否される場合やご質問がある場合は、かかりつけの診療科の外来主治医にお伝え下さい。

実施内容 保険適用外の高濃度による注射用カリウム(KCL注)の使用
対象者 輸液量の制限等が必要な低カリウム血症を呈した患者
承認日 2024年1月22日
対象期間 承認後から永続的に使用
概要 低カリウム血症の補正においては、重篤な場合や内服薬が困難な場合に注射用製剤が使用されますが、注射用カリウム製剤は添付文書上、40mEq/L 以下に希釈し、20mEq/hrを超えない速度で投与し、1 日投与量が 100mEqを超えないことと規定されています。しかし、全身管理を行う重症患者などでは、心不全にいたるリスクから輸液量の制限を要し、承認されている濃度よりも高濃度で投与する必要があります。そこで、当院ではすみやかにカリウム値を補正する必要が生じた際には、心電図モニター装着下に輸液ポンプを使用して高濃度カリウム注射製剤を承認されている濃度を超えて持続静注することを認めています。
予測される不利益と対策 カリウム補充により、予想より血清カリウム値が上昇することがあるため、高濃度カリウム注射製剤の持続静注を行う際には必ず心電図モニターを装着し、波形の変化に注意しています。また、適宜カリウム濃度を測定し、カリウム投与の継続可否を判断することとしています。血清カリウム値が高値になりすぎた場合は、必要に応じてカリウム値を下げるための薬剤投与等を行います。高濃度カリウム注射製剤は、薬剤部が連携して安全に実施されていることをモニタリングしています。
また、投与速度は20mEq/時以下、1日最大投与量は100mEqまでとして、添付文書で定められた範囲内での投与としています。
問い合わせ先 市立伊丹病院 医薬品安全管理部会